2016年7月7日の日本経済新聞にこんな記事が出ていました。
マツダ、晴れぬ欧州不安「経営の質」評価はまだ先
自動車銘柄の中でマツダの下げが止まらない。欧州の自動車販売台数が他社に比べて高く、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う投資家の不安が根強いためだ。
アナリストからは「経営の質」の変化を評価して売られすぎとの見方はあるが、株価が織り込むにはまだ時間がかかりそうだ。
この記事で書かれていることは本当だろうか?
「マツダは、欧州の自動車販売台数が他社に比べて高く」と書かれているが、本当だろうか?ちょっと確認をしてみた。
その前に、
マツダの地域別の販売台数を確認してみると、
2016年3月期の決算説明資料を確認してみると、2017年3月期の見通しは以下の通り。
グローバル販売台数
地域 | 販売台数(千台) | 割合(%) |
日本 | 233 | 15% |
北米 | 449 | 29% |
欧州 | 260 | 17% |
中国 | 238 | 15% |
その他市場 | 370 | 24% |
合計 | 1,550 | 100% |
では、
他の自動車会社はどうなのだろうか?
トヨタ自動車、日産自動車をみてみたい。
トヨタ決算発表資料から
地域 | 販売台数(千台) | 割合(%) |
日本 | 2,240 | 25% |
北米 | 2,850 | 32% |
欧州 | 920 | 10% |
アジア | 1,410 | 16% |
その他 | 1,480 | 17% |
合計 | 8,900 | 100% |
日産自動車の決算発表から
地域 | 販売台数(千台) | 割合(%) |
日本 | 580 | 10% |
北米 | 2,070 | 37% |
欧州 | 770 | 14% |
中国 | 1,300 | 23% |
その他 | 880 | 16% |
合計 | 5,600 | 100% |
結果みると、マツダが欧州割合が突出して高いわけではないことがわかります。
日産も14%とマツダと比較しても、それほど変わらないですね。
なのに、マツダだけ株価の下落幅が大きいのは、もっと他に要因が多いのではないでしょうか。
新聞報道は、常に本当なのか?
正しい情報なのか?
ということは自分自身で検証する必要がありますね。
じゃあ、
マツダの原因はどこなのか?
一つは想定為替レートのようです。
各社の2016年3月期の各社の為替レート。
マツダ | トヨタ | 日産 | |
US | 110円 | 105円 | 105円 |
ユーロ | 125円 | 120円 | 120円 |
おそらく、2016年期決算では、為替の影響を一番受けるのはマツダということになるのでしょう。
そういう点でも、マツダの株式を購入される方は注意が必要だと思います。
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